シニア起業するための資金調達方法とメリット・デメリット

シニアが起業するときには、もちろん事業計画書を作成する必要がありますが、起業するときは資金調達する方法についても考えておくことが重要です。

ビジネスを開業する際に、起業家が独立・開業直後に、特に頭を悩ますのはお金に関することです。ビジネスを開業するには、当然のことお金が必要になります。数百万円、場合によっては数千万円のお金が必要になる場合もあるかもしれません。ほとんどの方は、お金を借りることになると思います。

もちろん、自己資金で全額賄えるという人もいるかもしれませんが、たいていの場合、運転資金や設備資金などの事業資金を借りて調達する必要があります。

初めて起業する場合に利用できる資金調達方法は、限られています。というのも、創業したての企業においては、信用がまだなく、資金を融資すべきかを判断する判断情報が少ないためです。ですので、初めて起業する場合、起業する個人に信用がないので、銀行はまず資金を貸してくれません。何の実績もなく、何の後ろ盾もない人には銀行はお金を貸してくれませんし、法人口座も開設することはできないと思って間違いありません。

では、起業家の多くはどうしているのか。それは、公共機関などから融資を受けて創業しているのです。

融資支援をしている機関としては、国や自治体などがあります。国は開廃業率の改善や中高年齢者の活躍を促すため、若者や女性の起業、シニア起業を支援する制度を手厚く用意しています。

起業する場合は、銀行のビジネスローンなどと比べて、低金利でお金を貸してくれる日本政策金融公庫の公的融資や、自治体の創業支援融資などを利用して開業資金を調達して創業することをお勧めします。

「新創業融資制度」とは

日本政策金融公庫の「新創業融資制度」とは、創業前または創業後間もない事業者が、無担保・無保証で利用できる創業融資であり、創業者にとって利用しやすい制度となっています。これから起業する方や事業を開始して間もない方に無担保・無保証人で融資してくれる制度です。

創業の要件は、新たに事業を始める方、または事業開始後、税務申告を2期終えていない方が対象で、女性向けや若年者向けとともに、55才以上のシニア起業者が利用できる制度が準備されています。「新創業融資制度」は、これ単体で利用できる制度ではなく、日本政策金融公庫の他の融資制度と組み合わせて利用するものです。

資金については、創業時に利用できる融資制度として『女性、若者/シニア起業家支援資金』というものがあり、女性または30歳未満か55歳以上の方で、新たに事業を始める方または事業開始後、概ね7年以内の方はこの融資を受けることができます。融資額も、7,200万円以内(うち運転資金4,800万円以内)、返済も運転資金で7年以内となっています。

「女性、若者/シニア起業家支援資金」を利用する方で、一定の要件を満たす方は、3,000万円以内(うち運転資金1,500万円以内)に限り、無担保・無保証人で融資する「新創業融資制度」が利用できるようになっています。また、返済を最長で2年間しなくてもよい(返済を据え置いてくれる)のも、創業段階としてはありがたい制度です。

この「新創業融資制度」のメリットとしては、国が新しい産業育成を政策的に行っているため、公庫は起業家に対して「融資のスタンスが積極的」であるということとがあげられます。また、最大3,000万円が無担保・無保証、そして連帯保証人の署名が不要で融資可能であるいうことも起業家にとっては大きなメリットです。ただ「金利」の利率は無担保・無保証人を希望される方で、0.86~2.75、担保を提供する融資を希望される方では、0.30~2.25と若干高めで、これが若干のデメリットともいえます。

詳しく知りたい方は、日本政策金融公庫のHPを参照してください。
[https://www.jfc.go.jp/n/finance/search/04_shinsogyo_m.html]

「制度融資」とは

「制度融資」とは、創業者向けの融資としてよく利用されている制度で、「地方自治体」「信用保証協会」「金融機関」の三者が協力して中小企業の資金調達を支援する仕組みです。

「地方自治体」は「金融機関」に融資の資金となる預託金を提供し、保証料や金利の一部を負担したりする一方で、「信用保証協会」が融資の保証人となり、金融機関が貸し倒れのリスクを減らし、一般よりも有利な条件で起業したばかりの事業者に対して融資を行いやすくする制度です。

「制度融資」には、大きく分類すると「都道府県」で実施している「制度融資」と「市区町村」で実施している「制度融資」の2種類があります。

ですので、資金調達手段として、この「制度融資」を利用する場合は、申込者が居住している地域、または開業を予定している地域の自治体(都道府県と市区町村の両方)に問い合わせをする必要があります。

「制度融資」の条件や内容は各自治体によって異なってくるため、それぞれの融資の利用条件や制度内容を確認し、自分にとって有利な「制度融資」を利用するとよいでしょう。

例えば、東京23区内で開業する場合、「東京都(東京都庁)」と自分の住む区役所の両方に問い合わせし、どちらの「制度融資」が自分にとって有利か、利用可能か確認した上で、どちらかを選択することになります。

「制度融資」は資金調達手段としてのメリットある一方で、若干のデメリットもあります。そのことを理解した上で利用をお勧めします。

メリットとしては、「融資が受けやすい」ことが挙げられます。

この制度は、自治体の斡旋を受けており、積極的な創業支援を行う前提で成り立っているので、比較的金融機関の審査が通りやすいのです。また、「金利が安く、据置き期間が長い」というメリットもあります。
一般的な銀行融資に比べて金利が低く、元本を返済しない「据置き期間」が条件で設定されている場合があり、創業時の負担を限りなく低く抑えることが可能です。また、固定金利、長期返済が基本のため、ゆとりを持って返済できるのもメリットでしょう。

デメリットとしては、「手続きが煩雑で融資されるまでに時間がかかることがある」ということです。

「制度融資」の場合、地方自治体の承諾から、信用保証協会、金融機関の三者による審査が必要で、日本政策金融公庫における新創業融資や、その他の一般的な金融機関の融資と比較して手続きが煩雑で融資実行までの時間がかかります。状況によっても異なりますが、一般的には融資の申し込みが承認されてから融資されるまで3ヶ月ほどかかる場合もありますので注意が必要です。

また、自治体ごとに制度の種類や内容が異なり、内容も頻繁に更新されることもあり、自分に適した条件の融資を見つけることが困難な場合があります。自分の条件に適していない場合、制度に従わざるを得ないなど、柔軟性にかける点はデメリットであるといえます。詳しくはお住まいの自治体HPなどで確認してください。

「生涯現役起業支援助成金」とは

「生涯現役起業支援助成金」とは、国の厚生労働省による助成制度の1つです。

「生涯現役起業支援助成金」の制度は、40 歳以上の中高年齢者の方が、起業によって自らの就業機会の創出を図るとともに、 事業運営のために必要となる従業員(中高年齢者等)の雇入れを行う際に要した、雇用創出措置(募集・採用や教育訓練の実施)にかかる費用の一部を助成してくれる制度です。

受給要件としては、以下の要件が挙げられます。
(1)起業基準日から起算して11か月以内に「生涯現役起業支援助成金 雇用創出措置に係る計画書」を提出し、都道府県労働局長の認定を受けていること。
(2)事業継続性の確認として、以下の4事項のうち2つ以上に該当していること。
a.起業者が国、地方公共団体、金融機関等が直接または第三者に委託して実施する創業に係るセミナー等の支援を受けていること。
b.起業者自身が当該事業分野において通算10年以上の職務経験を有していること。
c.起業にあたって金融機関の融資を受けていること。
d.法人または個人事業主の総資産額が1,500万円以上あり、かつ総資産額から負債額を引いた残高の総資産額に占める割合が40%以上あること。
(3)計画期間 内( 12 か月以内) に、対象労働者を一定数以上(※)新たに 雇い入れること。
※60歳以上の者を1名以上、40歳以上60歳未満の者を2名以上または40歳未満の者を3名以上(40歳以上の者1名と40歳未満2名でも可)
(4)支給申請書提出日において、計画期間内に雇い入れた対象労働者の過半数が離職していないこと。
(5)起業日から起算して支給申請日までの間における離職者の数が、計画期間内に雇い入れた対象労働者の数を超えていないこと。

起業者が60歳以上の高年齢者の場合、最高200万円まで融資してもらえます。

詳しくは、厚生労働省の「生涯現役起業支援助成金」HPを参照してください。
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000115906.html

 

これ以外にも、融資を受ける仕組みとしては、最近では、「クラウドファンディング」というものがあり、インターネット上で大勢の人から少額の投資を募ることも可能になっていますので、これを利用することも検討してもいいでしょう。これまで事業をしたことのないシニアでも、ビジネスプランがしっかりしていれば、数百万円から数千万円くらいの資金調達ができるようになっています。

アメリカでは、「ベンチャーキャピタル」から投資を受けて起業するというのが一般的になってきているようですが、まだまだシニア起業には敷居が高いかもしれません。ただ、起業するビジネスの内容次第ではベンチャーキャピタルから多額の投資を受けることもできるかもしれないので、事業計画書をつくり、熱意を語ることで起業時の資金調達もできる可能性はあることだと思います。

まあ、資金を調達できなくても何もできないと諦める必要はありません。熱意(気力)と情報力、そして行動力が、あれば人・モノ・金・情報など、経営に必要な資源は工夫すれば集めることはできると思います。

以上、シニア起業時の資金調達について何らかの参考になれば幸いです。



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